当社は、1987年に川崎汽船株式会社の情報・通信システム部門が分離独立して誕生しました。その頃、川崎汽船の基幹システムはメインフレームと呼ばれる大型のコンピュータで稼働しており、当社オフィス内でそのマシンの運用・保守をしつつ、運用担当者がユーザーの要望を受けてプログラムの改修やリリースを行っていました。また、当時にしてはめずらしく、川崎汽船と当社では社員一人に一台のパソコンが配布されており、その全ての管理を当社が行っていました。
1990年代後半になると、メインフレームからクライアント・サーバー型への切り替えが進み、システム開発の柔軟性が高まりました。2002年、さらなる業務の拡大のために独立系のソフトウェア開発会社と合併。その後は運用・開発部門の業務内容や役割の見直しを進め、ユーザーを効果的にサポートするサービスデスクを設置するなど、現在の組織の基盤が築かれました。
採用においては、設立当初から文系理系を問わない入社を推進しており、長年にわたって多彩な個性や価値観を持つ社員を受け入れることで、多様性を尊重する社風を築いてきました。
海運の世界では、「いつまでにどこに運ぶか」「どのくらい積めるか」「どの航路を運行するか」など、さまざまなことを考慮しながら世界中にモノを届けており、そのあらゆる場面でITの力が求められています。
当社は、川崎汽船グループ内唯一のIT企業として、ハードウェアおよびソフトウェアの導入・運用・保守、アプリケーションの開発・運用・保守、インフラ・ネットワークの運用管理、セキュリティ対策など、IT全般にわたるサービスを提供しています。さらに、安定的な運用を通じて、システムの中断や障害のリスクを最小限に抑え、川崎汽船グループ全体の業務を効率よく持続的なものにしています。船の運航以外の面でも、グループ会社の人事や経理システムの開発も担当するなど、多くの仲間の仕事を支えています。
近年はDX(デジタル・トランスフォーメーション)という概念が重視されているように、ITの力には、あらゆる業務を効率化したり、働く人の快適性を高めたり、業界に変革を起こしたりする可能性が秘められているのです。
私たちはこれまで、川崎汽船のグループ会社として、世界中のユーザーの要望を聞き取り、効果的なシステムを開発・運用してきました。今後も、新しいアイデアやテクノロジーを積極的に導入して、グループ各社の競争力向上に貢献してまいります。また、企業の社会的責任(CSR)も重視し、環境への配慮、二酸化炭素排出量の削減といった面でも、川崎汽船と連携しながらITの力でできることを模索し、改革を進めてまいります。
今後は、国内外グループ会社のIT部門との連携をさらに強化し、アプリケーション開発、インフラ・ネットワーク運用管理、セキュリティ対策に力を入れることも大切なポイントになってくるでしょう。
グループ内の要望を受け入れる側から、グループ内にイノベーションを発信する側へ。積極的な提案を行い、海運業界の持続可能な未来を切り拓いていきます。